超鈴音は何故去った?

超鈴音は大方の予想を覆し、未来に帰った。
「オイオイ、こんな寂しいことを『ネギま!』でやっていいのか?」とちょっと思いもするけど、物語上必要なことだろう。
以前、「革命に失敗したチャオは死ぬべき」って意見があったが、「チャオの立場からしたらそうかも知れないけど、チャオが死ねばネギは自分の日常を守れなかったことになる」というのが自分の考えだった。だが、「チャオがこのまま3−Aに残るのは甘すぎる」とも思っていた。
そしたら、まさかの帰還ですよ。

「一歩を踏み出した者が無傷でいられると思うなよ?
 キレイであろうとするな 他者を傷つけ自らも傷つき 泥にまみれても 尚前へと進むものであれ」
137時間目のエヴァンジェリンより

「僕自身の日常の為に悪を行う、それを逃れることはできないのだと」
158時間目のネギより

これからわかるように、ネギは自己の正義を成すために悪を行ったと意識している。その結果として、チャオが未来に帰ることとなった。
この悲しい別れこそがエヴァンジェリンの言っていた「無傷でいられると思うなよ」に繋がっているのだと思う。自分の日常を守るために誰かを犠牲にしておきながら、「超さんは一緒にいてください」なんてネギの希望ばかり叶うのは、流石に虫のいい話だからな。一歩を踏み出した象徴として「チャオとの別れ」という予測はしていたけど、そうあって欲しくない悲しい結果を迎えたのだ。
チャオの「私の願いは達せられた」ってのは、「ネギが一歩を踏み出すことが出来た」ってことなんだろうな、多分。古菲茶々丸・葉加瀬・五月の他にエヴァンジェリンとも繋がりがあったのは、茶々丸との関係がどうこうというわけではなくて、エヴァンジェリンにネギを教育するように訴えかけてたりするんだろう。ネギが「チャオの仲間にはならない」と言った時に「君はそう言うとわかていたヨ」って返したのは、エヴァンジェリンの教えを受けたネギならそう言うと予測していた、或いはそう言ってくれと願っていたのかも知れない。
しかし、こういう厳しい話をバトルのクライマックスでならともかく、その後の余韻の部分でサラッと入れてくるってのも凄いよなぁ。