涼宮ハルヒの憂鬱VI

実は言うと、あまり面白いとは思えない最終回だった。あくまで最終回としては。確かに「憂鬱」の中ではクライマックスかも知れんが、アニメ全体の中では「重要な話ではあるが、最終回に持ってくるような内容ではない」と思った。純粋な面白さでは他の話に勝るとも劣らないが。
と言うのも、「サムデイ イン ザ レイン」が余りにも最終回として相応しいと前々から感じてたから。他者のいる世界にハルヒが戻る重要性もわかるけど、朝比奈みくる長門有希にそそのかされて闇に閉ざされた二人っきりの閉鎖空間の中で、半ばヤケクソみたいな形でキョンハルヒにキスをするより、二人っきりの雨の降る夜道ハルヒ自らキョンに「自分について来てくれるかどうか」を問い、キョン自分の意志で追いかけるラストシーンの方が最終回として圧倒的に素晴らしいと思う。問答無用でキョンと二人だけで新たな世界を作ろうとしたハルヒが、(キョンを信じていただろうけど)拒否されるかもしれないのに自ら選択肢を提示するなんて。
時系列として最終回なんだから、まあいいけど。

でも、この「サムデイ イン ザ レイン」を観た後に小説の『涼宮ハルヒの消失』を読んだら面白さ半減だな。「先に小説読んどけば良かったー」とちょっと嘆いた。この「消失」の話はキョンが平凡な日常と今までの騒がしい日常のどちらを選ぶかが一番の見所だろうけど、「サムデイ略」を先に観てたらどっちを選ぶかなんて明白で、長々と自己問答してもクドイだけだった。