ウルトラヴァイオレット

監督カート・ウィマー 出演ミラ・ジョヴォヴィッチ

3年前、惑星表面に他では類を見ない異常な格闘技を観測した。アメリカ大陸の一戸の家の裏庭から噴出した格闘技は瞬く間に惑星全土を覆いオタクの心を虜にした。 その中心にいたのが涼宮ハルヒカート・ウィマー。
ガン=カタで一世を風靡したカート・ウィマーの最新作だが、どーしても傑作である前作『リベリオン』と比べてしまうよね。そして前作より明らかに劣っているのが悲しいところ。
リベリオン』が傑作だった所以はガン=カタにあるが、そのガン=カタの動きが、感情のない最初のうちは機械のようでありながらも、感情が芽生えるに連れてまるで舞を踊るかのような躍動感を得ていく様が何とも言えない開放感をもたらしていた。
映画本編を観る前は、個人的な復讐だけに命を懸けるヴァイオレットが無垢な子どもと出会い、人としての感情・愛情を取り戻し復讐以外の意味を持った戦いに身を投じていって、その様子をガン=カタを使ってアクションで彼女の気持ちを伝えてくれるのだとばっかり思ってたよ。
いや、映画撮ってる方はそのつもりなのかもしらんが全然こっちに伝わってこねーよ。わけわからんSF設定は放っておいて、『グロリア』や『レオン』にガン=カタを付け加えたような内容にしときゃいいのに。

そもそもさぁ、物語の核となる子どもが気持ち悪いんだよ。こんなガキを見て愛情を取り戻す人間なんていねーよ。ぜってーコイツ、三輪車を一心不乱に漕いで母親にぶつかって二階から突き落とそうとするような奴だよ。ああ、最近は三輪車じゃなくてキックボードか。
なんで『リベリオン』であんな魅力的な子を描けて今回はコレなんだよ。嫌がらせか?
話のオチも酷くて、アレじゃ子どもを得た意味が大してねーじゃねーか。何やってんだよカート・ウィマー。

と批判しまくって、心の中ではゲラゲラ笑いながら観れた楽しい作品であった。ついでに今週の木曜洋画劇場は『リベリオン』だよ。