今更ながら『咲-saki-』のルビーとサファイアについて

ニコニコ動画で咲の百合シーンを集めたやつを見てて、第12局における久の「ルビーとサファイアは同じ素材の宝石なのよ」発言のところで「これの意味って何なの?」というコメントが結構あったのが気になった。そんで、色んな感想ブログを見てまわったんだけども、せいぜい福路美穂子のコンプレックスに言及している程度だったのでちょっと疑問に思った。2chのスレをまとめたここでも同じようなもんなんだから、みんなそれで納得しているってことなのか?
どうもこの考えには違和感があるので、個人的な意見を書いておく。


まずは風越部長の福路さんがオッドアイにコンプレックスを持っているというのはわかるし、実際その通りだろう。でも、久がコンプレックスについて励ますようなことを言っただけだったら、わざわざ麻雀という競技の場でそんなことを言うのは物語的にほとんど意味も持たないと思う。
これって、麻雀*1で「良い結果を残せた・残せなかった」をオッドアイを使って表現しているんだろう。それで、たとえ良い結果が残せなくても決してその人の価値がないわけではないってこと。
だから、落ち込んでる文堂さんを福路さんは責めたりはしないし、楽しんでいきましょうと励ましているのですよ。
そして何より、福路さんは伝統名門校の選手だってこと。スパルタコーチがいて勝利を半ば義務付けられてるような学校の選手かつキャプテンでありながら*2、結果を残せなかった人を決して責めはしない。ルビーとサファイア両方の価値を知ってるってことなんだよな。だから久にわざわざ3年前の言葉の意味を聞いたりしない。


そして中堅戦終了後の大活躍をした久を明るく迎える清澄メンバーと、泣きながら謝る文堂さんを受け止めてあげる風越メンバー。この描写は原作にはなかったがルビーとサファイアの話を付け加えたアニメだからこそ、その印象を深くするために入れた場面だろう。

*1:第11局で竹井久が麻雀を人生に喩えていることに注意。

*2:福路さんと違って竹井久の方は、今年になってようやく県大会に出場できるような学校の選手ってのも面白い対比になってる。