アニメ版『魔法先生ネギま！』は駄作だったか の続き
ちょ、前回の文章では「何が面白かったか」について触れてないのに、やたらとこのページを覗いてくれてる人が多いので申し訳ない気持ちでいっぱいです。大手サイトは偉大だなあ。とりあえず、ある程度は言いたいことがまとまったので更新をしようと思う。ちなみに前回の終わりの方の文章と今回の出だしが繋がってない気がするのは、前回はとにかくアニメ版にも面白いところはあることを伝えたくてテキトー書き殴ったからであり、今回の文章もそれに近いからである。要するに計画性がない上に文章を書く力がない。
アニメ版と漫画版との最大の違いと言えばやっぱりネギが最終回まで明日菜以外とパクティオーをしなかったことだろうか。最終回に３０人と一気にキスしていく展開は「何でもありだな。無茶苦茶だ。ＯＰを再現したいだけかよ。」と色々と文句を言われた。
パクティオーはこのアニメの中じゃただ単に女の子がアーティファクトを手にとって戦いに参加してくれるための儀式じゃない。ネギが相手の好意を受け入れることを意味しているのだ。ネギは基本的に一人で物事を抱え込もうとする性格だ。エヴェンジェリンとの対決・会話においてそれは顕著に現れる。
８時間目ではカモくんの忠告を無視して戦いに臨み、それを知った明日菜は「この前の二の舞じゃないの」と憤慨し駆けつけるも、ネギは「また明日菜さんに助けられて…巻き込んじゃいけないと思ってるのに…」と一人でなんとかしようとしたことを告白する。でも明日菜は「私が来たくて来たんだから迷惑でもなんでもないの」といいパクティオーをしてネギを助ける。ここで初めて明日菜だけがネギの精神的に頼れる存在になるのである。
修学旅行編が終わってからはネギは自分の非力さを知りエヴァンジェリンに魔法の訓練をしてくれるように頼み込む。これはエヴァの力を求めているが、あくまでも自分の力で生徒を守れるようになるための頼みであって、決してエヴァと協力し合ってトラブルを解決しようとするためのものではない。
しかし、師匠と弟子という関係からか初めてエヴァに純粋に悩みを解決して欲しいと願う時やってくる。…がその願いは彼女を激怒させるものだった。その願いとは言うまでもなく明日菜を生き返らせてほしいというものである。
エヴァが怒った理由はネギが現実を受け入れないと言うだけじゃない。現実を受け入れないことによってネギが自分の弱さを誰にも見せずに常に一人でいることである。もし現実を受け入れて弱さを見せてしまったら周りに迷惑をかけることをネギはわかっていた。が、これじゃ明日菜と同じだ。*1エヴァは誰よりも長い間生きてきて何度も死を見てきた。だから側に誰かがいてくれることの大切さを身を持って知っているだろう。
エヴァを始めクラスメイトみんなはネギが弱さを見せてくれたら確実に受け止めていてくれただろう。常に皆をリードしていた雪広あやかが泣き出し、抱きしめて彼女を受けとめてくれた那波千鶴のように。*2
受けとめてくれる優しさがあるからこそ過去に戻ったときに生徒達は明日菜と同じく自分たちからパクティオーをしていく。明日菜と同じように生徒の方から行動を起こしたことで、今まで頑なに相手の好意を拒んでいたネギは生徒を頼れる存在として認識できた。ちなみにネギが最初の宮崎のどかはともかくとして、その後のパクティオーを拒否しなかったのは自分自身が生徒達と同じように、何より８時間目の明日菜と同じように、助けを拒否していた子ども時代の明日菜を助けようとしていたからである。
長くなって何を書いているのかよくわからなくなってきた気がするが、とにかく俺が言いたいのはパクティオーってのは最初にも書いたようにネギが相手の思いやりを受け取るという表現なんだということだ。能力的にはパクティオーをする必要がないエヴァや長瀬楓もキスするのはこのためだ。だから３０人がキスしていく場面は無茶苦茶でもないしＯＰを再現しただけのものでもない。ネギとクラスメイトが信頼し合える本当の先生と生徒、そして大切な友達になっていく感動的な場面じゃないか。
もし明日菜が死ぬ前にネギが他の誰かとパクティオーしてたら、ネギの行動は説得力のないものになっていたであろう。ネギの孤独と孤独からの脱却を描くには明日菜以外とパクティオーをしてはいけなかったのだ。
こんなにも素晴らしい物語の作品を「駄作だった」と言い切ることには俺にはできない。
続きはまだあるがそれについてはまた後日。
ちなみに次は、これまた非難轟々の「矛盾だらけで都合の良すぎる魔法無効化能力（マジックキャンセル）」について書く予定。言っとくけどなぁ、マジックキャンセルはパクティオーに匹敵する感動的な意味合いを持った表現方法をされているだぞ。
