アニメの『地獄少女』を観た…

な、なんだこれ…鬱アニメと言うか鬼アニメだなこりゃ。夢も希望もないじゃないか(ラストエピソード以外は)。
ここまでやるか普通?1話を観たときは「ヌルいアニメだな」とか思ってたんだけど、こうも現実を突きつけられると死にたくなるぜ。
特に7話とかあんなオチで大丈夫なの?苦情とか来てない?ちょっと現実的過ぎて引いたよ。紅先生だか紅天女だか知らんがパロディやってる場合じゃないだろう。
娘を思う母親の気持ちが地獄少女の力の前に無に帰すなんて酷すぎるだろ。普通のアニメなら、母親が娘の犯した罪にケジメをつけるために自分の手で地獄通信にアクセスして娘を地獄に流し母親もその罪を背負い生き、死後に地獄に行くというオチになるんだろうけど、このアニメでは娘の悪事に傷ついた者が人知れず娘を地獄に流し娘の更生を望み自分なりのケジメをつけようとした母親の愛情が全く意味のないものになってしまう。
脚本家は鬼か?いくら恨みを持たない人間は地獄通信にアクセスできないとは言え、この7話は凄まじすぎ。大傑作じゃないか!


「淡々と描いてて内容が薄い」と思ってる人がいるかも知れないがとんでもない。原因と結果の間にある過程を簡素(と言うかありがちに見える表現)にしてるから地獄少女の力を頼った人間の行いが本当に正しいかどうか観てる側が悩むようになってしまう。言い換えれば、糸を引く説得力がないと思ってしまう。その一方で地獄少女に頼らずとも何らかの方法がありそうなのに、それが出来ない人間の弱さや周囲の環境に説得力がある。そのせいか序盤の数話にある恨みを晴らしてハッピーエンドにならないハッピーエンドな展開が凶悪。中盤以降はもっと凶悪なんだけど。23話とかちょっと恐すぎ。人間不信になるよ。


声優陣はやたらと豪華でみんな上手い。特に能登麻美子のハマリ具合が素晴らしい。個人的にはこの人あんまり好きな声優じゃなかった。なんかいつも同じ様な演技だし、歌も歌うというよりテンポに合わせて喋ってるって感じがしてたから。
でも今回ばかりは演技も歌も認めざるをえないほど素晴らしい。「いっぺん死んでみる?」なんかは決め台詞として最高でしょ。
中年オバサン役のくじらは本気で胸糞悪くなるから困る。あの演技力はただごとではない。
あー、おもしろかった。
そういえば『スクールランブル』で塚本天満が「人を呪わば穴二つ」とか言ってた気がするが姉妹そろって何やってんだか。