空気系作品について

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ここで挙げられている空気系作品は基本的に日常を描いている作品で登場人物は『よつばと!』や『ARIA』なんかの世界を形成する要素である。うまく表現できないが、登場人物はその世界がどういうものなのかを見せるのに都合のいい存在であるとでも言えばよいか。
ぱにぽにだっしゅ!』なんかはかなり異質の作品で「ぱにぽに」という世界を描きながらも、主人公のベッキーが「ぱにぽに」の世界の外からやってきた存在であり、そのことを漫画の『ぱにぽに』より若干強調している。
空気系作品とは読者・視聴者が登場人物の行動を目にして「この世界っていいなー」とか思ったりするもんだが『ぱにぽにだっしゅ!』は登場人物のベッキーが「この世界は素晴らしい」と説くのである。
空気系の定義として

1.物語全体を通したテーマにクライマックスシーンを持たない
2.その仮想世界・仮想空間の雰囲気を描くことに重点を置いている

とあるけど『ぱにぽにだっしゅ』の22・25話なんかは「ぱにぽに」の世界(差別や偏見なんかなくて誰とでも仲良く遊べる世界)の素晴らしさをテーマにしたクライマックスがあると思う。基本は空気系だけど。


対して一般的な作品はあくまで個々人の物語を描いた作品であると思う。極端な例では『ドラゴンボール』なんかが挙げられるだろう。あくまで悟空を中心とした物語で、この作品の世界は登場人物が活躍するための舞台でしかない。このような作品では登場人物に感情移入ができるようになっていると思う。
自分は空気系作品は登場人物の言動に「あるある」とか賛同したりすることはあるがあまり感情移入はしない。「負けるな、頑張れ」なんてあまり思ったりしないでしょ?
こういう違いが出るのは普通の作品でクライマックスとして扱われる題材が空気系では日常の一部として扱われクライマックスとして扱わないからだろうか。


個人的には「空気系」という呼び方は味気ない気がするので「日常系」という呼び方をしたい。「空気系」だと何だか中身がないような印象を受ける。空気を楽しむってのはわかるけど。