差別や偏見をなくそうとする世界を描く作品

アニメ『いぬかみっ!』とか観てて気になってたんだけど、「異形の者」や「忌まわしき存在」を受け入れる展開がある作品が2000年前後から増えてきてるような気がする。思想の違いにより対立してた者が互いに理解を深めていく、と言った物語とは似て非なる形。
「思想の違いによる対立」の場合は「対立」という形のコミュニケーションがあるけど、「差別・偏見」の場合は「対立」というコミュニケーションすらない一方的な「拒絶」が特徴かな。「いじめ」や「拒絶」という意思表示そのものをコミュニケーションの一種としてもいいかも知れないが、それについては考えるのをやめとく。
自分は中学・高校時代はあまり漫画とかアニメにハマってた人間でないから、このような内容の作品が昔から多くあったことを知らないだけかもしれんが、個人的には最近になって多くなってきたような気がする。


まず一番印象に残っているのが『フルーツバスケット』。漫画の方は読んでないけど、初めてアニメでこの作品を観たときはホント感動した。終盤のオリジナル展開は漫画読んでる人にとってはちょっと不満もあったようだが、俺は泣いたよ。てゆーか、全26話の中で最終回が最高の傑作じゃないか。差別を受けてきた十二支の者からも距離を置かれる当主の草摩慊人が本田透に「慊人さんの気持ち…もっと聞かせてください」と言われたとき、どんなに嬉しかったことだろう。

最近の作品では以前にも書いたが『ぱにぽにだっしゅ!』とか。『NARUTO』なんかもそうだよね。妖狐のナルトや守鶴の我愛羅。『ローゼンメイデン』の衣装作りが趣味のジュンも差別を受けてたよな。『涼宮ハルヒの憂鬱』のハルヒも白い目で見られたり。*1BLOOD+』の小夜は自分が異形の者だと自覚し距離を取ろうとするも、カイが家族として受け入れようとする。
げんしけん』なんかはオタク部員と非オタクの春日部咲との関係は「対立」だけど、荻上千佳に関しては「差別・偏見」がテーマになっていると思う。


ここ数年こういう作品が増えてきたってのは個人的な感想なんだけど、もし実際に増えてきたとすれば「それは何故?」なんて思っちゃったりするわけですよ。
やっぱりインターネットの普及とかで意見交換をする場が増えたとか、世界の歴史や文化に触れる機会が多くなり、そこから「差別・偏見」なんかが生まれてんのかな。それで、そういった題材を用いた作品が出てきているのかも。

*1:ハルヒの場合は自分から敢えて一般人を拒絶してるって側面もあるけど。