時系列上の最終話(9話)ではどうして降水確率10%で雨が降ったか

「サムデイ イン ザ レイン(ある雨の日のこと)」=「ある晴れた日のこと」なのである。
何言ってんだよって感じだがそうなのである。
この最終回は降水確率がわずか10%にも関わらず雨が降り、ハルヒキョンが相合傘をして一緒に帰るというお話である。

まず冒頭の生徒の下校する場面を思い出してほしい。こんなどんよりして今にも雨が降り出しそうな天気なのに、誰一人として傘を持っていない。キョンがストーブを取りに外に出たときも誰か傘を持っていた人がいただろうか?そして雨が降り出してからのキョンの一言。
「天気予報では降水確率10%だって言ってたのに」

以上のことからこの日の午前中、少なくとも登校時間には「晴れ」ていたのではないかと推測できないだろうか。
そんな晴れの日に何故雨が降り出したかと言えば、ハルヒがそれを望み彼女の能力がそうさせたのだろう。そもそも「サムデイ イン ザ レイン」というサブタイトルをつけておきながら「降水確率が10%」なことに言及するなんてこの日が明らかに非日常であることを視聴者に提示してるとしか思えない。*1
ここでEDの『ハレ晴レユカイ』の歌詞を引用してみると

アル晴レタ日ノ事 魔法以上のユカイが
限りなく降りそそぐ 不可能じゃないわ

とある。

このEDの歌詞がハルヒの想いを表現したものだとすれば
ある晴れた日の魔法以上の愉快とは「降水確率10%という低確率で降る雨」(とキョンと一緒に相合傘をして帰る)のことではないのか。
「限りなく降りそそぐ」という表現にもピッタリである。
超常現象の存在を信じて疑わないハルヒにすら、(自身の能力が起こしたとは言え)この雨は魔法以上のことだったのだ。

また「限りなく降りそそぐ」に続いて「不可能じゃないわ」とあるが、これは今回の雨そのものではなく、相合傘に誘うことであると個人的に思う。*2

今まで自分が気づいてない能力と無茶苦茶な言動でキョンに迷惑をかけてきたハルヒが「相合傘をしたい」なんて思っていたのである。
可愛すぎである。
キョン達にとっては「ある雨の日のこと」かも知れないが、ハルヒにとって「雨が降ること」自体が「ある晴れた日のこと」なのである。部室に太陽のオブジェもあるし。
今回の雨降りの話はキョンにとっては非日常的なことが起こらない日常であるかのように見えるが、逆にハルヒにとってはその日常が最も非日常的だったかのように感じていたと思われる。*3
またキョンハルヒの能力を知っていながら、今回の雨は単なる自然現象だと思い込んでるあたりがいかにもダメな主人公っぽくていい。ハルヒの能力に注意してる古泉たちも気づいてないけど。

ちなみに最後、キョンから離れてあっかんべーをするが
これも歌詞の

走り出すよ 後ろの人もおいでよ
ドキドキッ するでしょう?

とか

追いかけてね つかまえてみて


の部分を表現しているのだろうか。


どーでもいいけど、鶴屋さんはみくるに掃除当番代わるの頼むのを忘れてるっぽいよなー。

*1:他の人の感想見てみると「珍しく何も起こらない日常を描いている」ばっかりでちょっと驚いてるんだが。

*2:ハルヒは自分の能力を知らないから雨を降らせることが出来るかどうかなんてわからないだろうし。

*3:ハルヒにとって非日常となった「孤島症候群」でも快晴から大雨に変わった。これも彼女が望んだことであろう。